第6章 体育祭
どれ位こうしているだろうか
柔らけえ
角度を変えて貪っても
まだ全然足りない
足りないのに
満たされる
腰もどこも
細っけえ
折っちまいそうだ
ああ
んだろうな
この感覚は
全部
俺のモンにしてえ
腰を抱くその腕を
彼女の全てを触る様に
身体に滑らす
『っ!?』
こいつ飯食ってんのか?
肉全然ねえな
腕も
脚も
お腹ですら
ああでも
肉全然ねえのに柔けえ
俺の汗ばんだ手にこいつの肌が吸い付いてくるみてえだ
手をそのままゆっくり上へ這わす
「…神奈……」
隙間から漏れる様に名前を呼ぶ
その瞬間
がばりと
密着していた熱が離れ
夢うつつから目が覚める
『な……なんっ…』
「は?」
夢中になりすぎて
自身が何をしようとしたかすら気付かなかった
俺は…
腕触って
脚触って
その次は腹を……
腹を直に触ってて
あれ
服ん中、手え突っ込んでたのか
無意識だった
赤面しわなわなと震える神奈をみて
いや、それだけじゃないとまた振り返る
そうだ
俺はその後……
その手を上へと………
「わ…悪い……」
『っ』
「別にそういうつもりじゃなかったんだがよ…つい」
『つ、ついであんたは!胸触ろうとしたんか…!!』
やばい
先程までの幸福感は何処へやら
流石にまだ返事すら貰ってない相手に
無意識とはいえ手を出そうとしてしまった事実は変わらない
「…わ、悪かった」
『っ!!』