第2章 興味
『おうだけじゃなくてさ、名前は?教えてもらっても良いかな??』
「……心操…こちらこそ、よろしく」
心操くん…
『おっけー心操くんね!覚えたわ』
親指を立ててみせたが心操くんはあまりリアクションを返してはくれず
ホームルームはじめるよーという
担任と思われる先生の声で
私達の初めての会話は終了となった
入学式を前に、クラス内での自己紹介をするらしく
私は何を話すか思考を巡らしていた
各人の自己紹介は、自身の個性や出身校、そして趣味等を羅列するものだった
そしてそれは思いの外はやく
ついに私の番へとなった
ガタッと小さめの音を立てて
ゆっくりと椅子を引き
少しまだ緊張の入り混じった顔付きのまま
教室で一人、ゆっくりと立った
『凪山神奈です。えっと駿美中学から来ました。趣味…は、休日のカフェ巡りで、個性は「復元」です。一年間よろしくお願いします…!』
緊張したせいであまり上手く話せた自信はないが
やはり皆んな個性に反応したらしく
「復元ってものを?」「まさか人も出来んの!?」「個性強過ぎない…?ここ普通科だよ?」
など、皆口々に疑問を投げかけてくる
それを先生は遮り、はい次の人ー、とテンポよく回していった
そしてまた少しすれば
今度は先程挨拶を交わした彼の番になっていた