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【ヒロアカ】世も縋ら

第6章 体育祭




個性が発現して、両親が最初にやったのは
倫理観の教育だった


幼い私には難しいことばかりで
当時の私が
それを理解できていたのかすら怪しい


人を傷つけてはだめ

人を殺してはだめ

人を恨んではだめ

人を生き返らせてはだめ

人を延命させてはだめ…



そういう命の在り方を教えるために
ミーも飼われた


両親からすればミーは

私に「死」を教えるための存在だった




幼かった私は
なにも分からずに
ただ辛い記憶を
他の子より多く多く刻んだ



『発現してからは散々だった…

何度も誘拐されそうになるし
そのせいでろくに外で遊べないし
まあそうなると友達なんて出来ないわけで…』


翔だけが

唯一の友達だった



「……」

爆豪はもはや
次元の異なる話になんと口をはさめば良いか分からないままでいた



『あ、でも一つだけ
凄く素敵な事だなと思ったことがあった』


「…?」



『自分を延命するの、ずっと私だけの特権みたいに思ってたんだけど
お母さんの、あの一言で
考え方変わったのよね』


急に穏やかな表情になる神奈に
爆豪は先の分からない話に首を傾げるだけだった


「…なんて言われたんだよ」


『あのね………ッ』

「は?」


言いかけて途中で遮った

いや、話せなくなった?



彼女の顔は


何かを思い出したように
突然真っ赤に色づいた

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