第6章 体育祭
「あんま煽んなよ物間!同じ土俵だぞそれ」
B組クラス委員長の拳藤が注意する
「ああそうだね、ヒーローらしくないし…よく聞くもんね。恨みを買ってしまったヒーローが、敵に仕返しされるって話」
「おっおっ…ぉぉォォ…」
『え…それ…爆豪に言ってんの……?』
「なんで急に神奈ちゃんもキレてんの!?」
ワナワナと震える爆豪と神奈に、慌てて切島が声を掛ける
「落ち着け二人とも!冷静になんねえとP取り返せねえぞ!!」
「おォオオ…」
怒りを爆破に乗せて発散するが
「っし進め切島…!!俺は今…
すこぶる冷静だ…!!!」
顔は全然そんな事ないが
「頼むぞマジで」
頼みの綱は
一つしかなかった
『全裸にしちゃるよ…物間くん…!!!』
「神奈ちゃん!!?」
「行くぞ爆豪!!」
切島の掛け声で
相手に向かい反撃の一歩を大きく踏み出す
物間くん達は私らの個性と性格を知っている
けれど私達は何も情報が無い
無闇に突っ込むのは得策では無い…?
だがそんな懸念を吹き飛ばすように爆豪は声を上げる
「時間が無え!突っ込む!!正面戦闘で俺は負けねえ!!!
ぜってえ奪り返すぞ…!!!」
「心強いな…!」
『うん!!』
爆豪の言葉を皮切りに
私達に躊躇は無くなった
ボン…いつもの爆発音が
目の前で轟く
けれどいつもと違っていたのは
爆豪に向かって
爆破されたことだ
『大丈夫!!?』
「ははぁ…へえ!すごい!
良い個性だね!」
「俺の…!!」
「いって…
爆豪おめーもダダ被りか!!」
いや、それにしては似過ぎて…
「くそが!!!」
爆豪も同じ個性でやり返すが
今度は切島君と同じ個性でそれをガードされる