第6章 体育祭
A組では見たことの無い顔で
そしてチームの人も、知り合いでは無い様子
つまりB組ヒーロー科の人
その垂れ目の男は饒舌に
「だから、おおよその目安を仮定し、その順位以下にならないよう予選を走ってさ。
後方からライバルになる者たちの個性や性格を観察させてもらった。
その場限りの優位に執着したって仕方ないだろう?」
確かに効率的な考えだ
「組ぐるみか…!」
「まあ全員の総意ってわけじゃないけど良い案だろ?人参ぶら下げた馬みたいに仮初の頂点を狙うよりさ」
ピクリと爆豪が反応する
マズい…
このままだと……
「あ、あとついでに君、有名人だよね?」
追い討ちを掛けるように物間は楽しそうに続ける
「ヘドロ事件の被害者!今度参考に聞かせてよ
年に一度、敵に襲われる気持ちってのをさ」
ぶつん、と爆豪の緒が切れた音がする
「神奈……予定変更だ」
『!』
「デクの前に
こいつら全員殺そう…!!」
ああ…
完全にキレた