第2章 興味
辛いもの……
何かお詫びにお菓子でもと思って聞いたが
その反対の返答をされてしまい
神奈は少し困惑していた
『そっか…辛いものかぁ……うーん』
「…唾液女、マジで詫びなんざいらねえからな」
思考を見透かされ、驚いた顔を彼に向けてしまう
彼は露骨にため息をつき
「そういうの、邪魔くせえんだよ」
『えー、そう言わずにさあ』
私の気が治らないんだよーと彼を覗き見る
爆豪は少したじろいだ後
何かを考えた仕草を見せ、
私の方にその鋭い視線を向けた
「…食いもんは要らねえ。その代わり
お前の個性、毎日俺の為に使わせろ」
『…え』
彼はなにを急に…?
『それはちょっと…っ』
反論の言葉を繋げようとしたが、それは爆豪の、有無は許さないという目により尻すぼみしていった
「放課後、ババアのとこの用事終わったら、毎日練習場γに寄れ!そこに俺が居なかったら俺ん家に寄れ!住所は後で渡す!」
矢継ぎ早に言葉を畳み掛ける爆豪に
私はただ頷くことしか出来なかった
そんな私を容赦なく、廊下であろうことも気にせず、いやだからこそか、爆豪は急に大きな声で
「俺は誰とも知らねえ奴に急に押し倒されて舐められた!!」
『わぁーー!!!ちょっと大声でやめて!!誤解をうむ!!!』
「んな変態行為を!んな事だけで許してやるってんだ!!」
『はっはい…!ありがたいです!!』
その言葉に言質を得たとニヤリと笑う爆豪に
私は真っ青な顔をした
「わかったら放課後な」
そう言い私の頭をグシャッと乱雑にかき、満足気な顔をして去っていった
周りの困惑した様な声は私にはもう届かず
とんでもない人を相手にしてしまった…と
自身の運の悪さを嘆いた