第2章 興味
念願叶ってリカバリーガールの助手となれた神奈は
奇妙に居合わせた爆豪とともに保健室をあとにした
『…あの、さっきは…すみませんでした』
突然手を舐めた事を一応謝っておこうと
彼の方を見る
「……」
どこか不満を抱えた表情の彼に
私は構わず言葉を続けた
『あと、 さっき支えてくれて、ありがとう』
「チッ」
なぜ舌打ち
『……ほんとにヒーロー科?』
「あ"!?どこに疑問の余地があんだよ!!!」
『余地しかないでしょ』
「クソがッ」
そう毒づき、何もない廊下を憂さを晴らすため足蹴にする
正直、ガキかと思った
が、彼が怒るのも無理はない
見知らぬ初対面の女に手を急に舐められたなんて
衝撃とショックを与えたことは十分反省している
『…あの、お詫びと言ってはなんだけど…なにか好きな食べ物とか、ありますか…?』
「詫びなんざ要らねえよ、うぜえ」
『教えてくれなきゃ貴方の友達とかに聞きに行くけど?というか友達いるの?』
「いるわ!!バカにしてんのかてめえ!!!」
『ねぇ?好きなものなに?』
「……しつけぇな…」
『…』
私がひたすら爆豪を見つめていたからか
諦めたように「辛いもん…」とギリギリ聞こえるぐらいの声で答えてくれた