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【弱ペダ・荒】あなたに

第3章 気づいてほしいこと


やっと姿が見えなくなったのを確認して、こんなどこぞのカップルの様なやり取りをしかも名とやってどーすんだと思いながら自転車を寮へと向ける。しかも、なにがまただ。練習時間を切り上げたくないのに。けれど、
(新開にもさせたくねぇ)
そう思う荒北だった。

「昨日、一緒に帰ったんだって?」
「あ、やっぱり部活終わってなかったんだね」
次の日の昼休み、
「一緒に食べない?」
と弁当を持って名のところに新開が行くと、少し悩んでからOKが出た。名がいつも昼食を一緒に食べている子は吹奏楽部で週に一度昼練があるため、一人になるその時を狙ったのだ。
「なぁ、今度から名が一人の時一緒に飯食べないか?」
内心どきどきしながら言ったのに
「ほんと?!もう屋上じゃ暑いし、荒北もどこで食べてるか分かんないから良かったー。」
と、遠回しに荒北の代わりと言われている様で残念に思う新開。
「で、昨日は練習終わってなかったんだね」
「部活動は終わってたよ」
「居残り練までしてさすがだね」
とインハイがあることや、普段どれだけ自転車に乗っているかなどを話した。
「次帰り遅い時俺が送ろうか?」
「え?」
「俺は居残り練してもそんなにかからないから、終わってから行ける」
「そ、そっかー。」
あわよくばと思って言った提案
「じゃぁタイミングがあったらね」
と承諾してもらえた。
次の週、早速帰りが遅くなる日が出来てしまった名。新開の言葉を思い出しつつ、荒北に送ってほしいと連絡すると部活が終わるまで待てとなる。待てども待てども迎えに来ない荒北に痺れを切らして部室まで行くと居残り練に励む荒北の姿。
「苗さんではないかどうした。俺に会いに来たのか?」
「東堂君・・・荒北ってまだ練習終わらないの?」
「無視か!」
「あぁ、ごめん。」
どうして東堂君は知り合いになると残念に思うのかと考えながら、中に居る荒北に確認しに行く東堂を見つめる。ローラーを回す横でこちらを見ながら話す二人。そして
「荒北は今日はまだ終わらんそうだ。外連でタイムが悪かったそうだ」
それは仕方ないと、東堂君伝いに先に帰ると話をつけてもらった。すると荒北にはこっちを見てすまんと言ったジェスチャーをされ部室を離れる。
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