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【弱ペダ・荒】あなたに

第3章 気づいてほしいこと


「荒北がやるのと、新開君がやるのでは雲泥の差だよ」
荒北もするのかと少し驚きつつ、
「同じだろ?」
と返せば
「荒北と新開君じゃイケメン度が違うよ!人気も!ファンに見られたら大変だよ」
「靖友も人気だぜ」
すると名はへぇ、と少し気持ちが落ちた様子で
(これは・・・)
自覚がないけどきっと荒北の事が好きなんだろうと新開は思った。ならば早く手を打たないと。
「じゃっ、行ってくる」
「私も部活行こー」
「名何部だっけ?」
「茶道」
「あぁ、だからか。で、あの姉御って名の事か」
「それ、もうやめてってば」
笑いながら玄関までむかい、
「じゃな」
「行ってらっしゃい」
と見送ってくれる姿に
「それ良いな」
なんて言えば、何を言ってるんだかと
「いつでも言うよ」
と笑ってくれた。部活動中、名の浴衣姿を思いだし、どう振り向いてもらおうかばかり考えていると
「新開てめぇ、さかり過ぎだろぉ!!」
「集中しろ」
「はは、ごめん」
とメンバー達に注意される。
「部活サボりすぎなんだよバァカ」
口が悪いだけでなんやかんや面倒見が良い荒北
(さすが幼馴染み、そこは名とそっくりだな)
「新開」
と再度注意を受け
(本当に重症だな俺)
と練習に集中した。
(戻ったな)
先程までぐらついていた新開の集中力が戻ったのがわかる。しかもぐらついていた理由がふざけた内容な感じがした。その内容の原因はきっと名だろう。
(そんなに名の何処が良いんだか)
「けっ」
名とは腐れ縁、家は隣だし、幼稚園からずっと一緒だ。小学生位までは名の方が背が高く、なにかとお姉さんぶるのがムカついていた。けれど、馬鹿をしていた時に最後まで話しかけてきてたのは名だけで、本人には言ってないが箱学を知ったのは名が希望してると聞き、見たら何もなくて良いと思ったからだった。考えてみると結果オーライで全て名のおかげな様な気がする。名が誰と付き合おうが構わないが、名を泣かせるような奴はダメだ。
(あいつ、男の趣味悪そうだしな)
なんたって自分を構うような奴だ。今度は俺が見てやらないと、そう思った荒北だった。そんなある日、居残り練を早めに切り上げ
「わりぃ福ちゃん、俺先あがるわ」
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