第3章 気づいてほしいこと
(まずい)
バキュンポーズ。新開が必ず仕留める相手にするポーズ、それをこの前名に向けてやっていたのを見てしまった荒北。
いやまずいってなんだよ!どーでも良いだろうあんな奴、新開にやられよーがやられまいがしったこっちゃっ
「ねーーー!痛っ!」
「こんなとこで叫ばない!」
昼休み屋上で叫んでるところに頭を叩いてつっこみを入れてくる名。
誰のせいだ誰の。つか、あいつもなんで名なんだ。もっと他にいんだろー。新開のタイプじゃなくねぇ?
「どーしたの?」
「なんでもねぇ!」
荒北がぶつくさ言ってる事にまた何かあったかなと思いながらクラスに戻ると
「名、また靖友のとこ?」
と新開に言われる。
「うん」
「仲良いんだな」
「まぁ腐れ縁ってやつだよ」
おかげで苦労するよと内心思う新開。
「最近はもう大丈夫?」
そう聞いてくる名に大丈夫だと言えば荒北の時の様に安心した表情を見せ
「名は優しいんだな」
そう頭を撫で様とすると照れた顔を隠す素振りでタイミングが合わなかった。
「そんな事ないよ」
気づいてない本人に少し残念さを感じながら優しいよと伝えた。
名が居てくれたから寿一達と話せて、またバイクに乗れるようになったんだ。そう思いながら放課後うさ吉を撫でていると
「あ、また部活さぼってー!」
「名・・・!」
そこには浴衣姿の名がいた。
「それ、靖友に見せた?」
「見せてないけど、この柄は知ってるんじゃないのかなぁ」
それを聞き、自分だけが良かったとまた残念に思う新開。
「まだ部活行かない日あるの?」
そう心配そうに聞いてくる名に
「いや、今日は2年の練習までには時間があるし、うさ吉の面倒もあって少し遅れてから行くのを許してもらってるんだ。練習には間に合わせてるよ。」
「そっか、なら良いんだ。今日大丈夫ってきいたもんね」
隣に座る仕草も制服とは違う感じがする。
「嘘だと思った?」
「・・・・も、もしかしてと少し思った」
「もう、大丈夫だよ。」
「や、前にも別で似たことがあったから。」
新開は荒北の事かと直感的に思いながら聞かないで
「大丈夫」
と頭を撫でた。
「新開君!」
照れる名に
「今日、ずっとそうしたかったんだ」
と言うと何それと笑う名