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アイナナ夢

第34章 Rey25,8(楽視点)




『近くにいるのに伝えられない 伝えたら離れていきそうで 遠くで見ることしか出来ない私の宝物』

「すごい綺麗な声…」
「でもアイドル向けではないね」
「あいつ…本気で俺を見返す気なのか…」

『-------どうすれば伝えられる?』

何かが胸に突き刺さるような気分だ。
他に好きなやつでもいるんじゃないかって勘違いしそうになる。
この詩を書いたのは一体誰なんだ。

「楽?」
「なんだよ」
「Reyって男性ボーカルだとかっこいいけど可愛いね」
「は…?」

テレビに視線を戻すと、零が動揺していた。
昔から褒められたりすることが少なかったみたいで、どう反応していいのかわからないみたいなんだよな。
見てて可愛いんだけど…これ生だったよな……。

「普段はかっこいいのに実は可愛いんですね。女の子はギャップに弱いですから」
『しゃ、社長…ど、どうしよ』
「予定とは違うけどこれはこれでいいんじゃないかな!」
『そんなあああああああ』

「う"っ"」

胸が締め付けられるような感覚。
ほんと心臓に悪いな。可愛い。

「変な気起こしてるのは楽の方でしょ」
「え、この子のこと好きなのか?」
「ン"ン"ッ、う…うるせえ」
「答えを聞くまでもないよ。この反応じゃ肯定してるのと同意だよ」

最悪だ。天の記憶を消したい。
情報を売るような奴じゃねえけどな…。

「やっぱりそうなのか!応援するよ!」
「すんな」
「アイドル活動の支障にならなければボクはどうでもいいよ」



◇◇◇




撮影も終わって、午後からオフだった俺は零に電話することにした。
感想ぐらい言ってやらないとな。
それに…どこまでネタバラシするのかも分かんねえし。

『もしm』
「零か?」
『私じゃなかったらどうするの』
「お前以外の女に仕事以外で電話なんかするかよ」

共演した女優とかに電話して欲しいって言われることもあるが、全部断ってるし。
プライベートで仲良くなんてする気なんて更々無い。

『口説き文句は間に合ってるから。で、要件は?』
「釣れねえな…まあそこがいいんだけど。会見見たぜ。お前のバラード、来るモノがあった」
『恥ずかしいからその話しないで…』

記者相手に赤くなった話か?
零にとっては黒歴史になりかねないか。
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