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アイナナ夢

第34章 Rey25,8(楽視点)


25,8(楽視点)

零から事前に連絡があった訳じゃねえけど、記者会見の話は結構広まってて八乙女事務所にも情報は来ていた。
なんでこんな大事なことを俺に先に言わねえんだよ。

「どうしたんだ?」
「あぁ…Reyの事考えてた」
「デビュー会見そろそろだったね。テレビ付けようか?」
「頼む」

楽屋のテレビを付ける龍。
ちょうど始まる前だったらしい。
テレビには小鳥遊プロダクションの社長と零が写っている。

「本日は小鳥遊プロダクション所属、Reyのデビュー会見にお集まりいただきありがとうございます」
『紹介いただきましたReyです。経験は浅いですが、精一杯歌っていこうと思いますのでよろしくお願いします』

「表情が固いね」
「新人だから仕方ないよ。それにソロだからね」

「10年に1人の逸材と噂されていますがそれについてはどう思っていますか?」
『そんな噂があるんですか…?』

その情報の出所どこだよ。
信憑性のないことを勝手に言うんじゃねえ。

「あながち嘘ではないけれど、Reyの歌声を聞けば納得すると思います」
『しゃ、社長…ハードル上げないでください…』
「事実だから仕方ないよね」
「ミュージックフェスタで話題になりました性別について教えてください」

「楽はReyのこと知ってるんだよね?」
「あぁ」
「もちろん性別も」
「当然だろ。よくもアレで男所帯には入れたなって思う」
「ふーん…やっぱり女の子なんだ?」
「おま、いつ気付いたんだよ!?」

実際に会ったのは一回だけのはずだ。
個人的に会ってるってのも考えにくいしな。

「楽の反応見たらすぐわかるでしょ」
「なんでだよ」
「そう言えば変な気起こすなとか言ってたね。そう言う意味だった?」
「……チッ」

龍はともかく、天に勘付かれてそうだ。
話したら馬鹿にされて終わるだろうし絶対言わないけど。

『は、はぁ…これ信じてないですよ。どうするんですか社長』
「Reyを分かってもらうには歌声を聴いていただく他ありません。本日初公開の新曲を聴いていただこうと思います」

「初公開の新曲…?」
「そういや前に女性キーで歌えるようになったって言ってたな」
「インパクト…ね。そのぐらいしなきゃ生き残れないって思ったんじゃない?」

前奏が流れる。
どうやらバラード曲らしい。

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