• テキストサイズ

アイナナ夢

第32章 Rey25



『やめて!!!!!電話切って早く』
《わかったわかった。落ち着いたら連絡くれよ》

そのあと私のスマホから楽の声がしなくなった。
ちゃんと切ってくれたみたい。

「……」
「………」
「零ちゃん俺になんか言うことない?」
『スマホ奪っといて何言ってるの』
「八乙女の関係教えて」

言うまで返さないの本気らしい。
デビューしたらちゃんと話すって言っちゃったし…。

『楽とは幼馴染みたいなものなんだよね…喋るようになったのは私が高校生の時だけど…それに、楽がアイドルだって知ったのはTRIGGERのライブに行く前だったから…』

あんなに凄いアイドルなのにどうして私は知らなかったんだろって思う。
蕎麦屋のお兄ちゃんぐらいにしか見てなかったせいかも…。

「他には?」
『う…楽にアイドルなんか目指すなって言われてから逆に燃えちゃって…』
「それでやる気が出たわけね…妬けるわ」
『え?』

大和さんの口から妬けるって言葉を聞くとは思わなかった。
いつもの冗談だと思うけど…みんなの前で言うのはどうかと…。

「なあ零、お前大和さんと仲良すぎるけど付き合ってんのか?」
『付き合ってって…私彼氏いたことないんだけど…』
「う、嘘だろ…?あれで付き合ってない!?」

あれでってどう言う意味だろ。
普通に接してる…よね?
勝手に寄ってくるのは大和さんの方だし。

「八乙女さんとはどうなんですか?」
『一織はどうしてそこに食いつくの』
「特に興味はありませんが、仕事に支障が出て困りますので」
『大事な友人…?たまにうるさいけど』

一度告白されてるなんて事は口が裂けても言いたくない。
一織と大和さんが安心したような顔をしたのは何故だろう。

「音無さーん」
『あ、万理さん』
「そろそろ現場に向かうよ」
『は、はい…』

CDショップでのイベントに向かわなきゃいけないの忘れてた。
万理さんって事務もなんでも出来るけど、マネージャーとしてもやっていけるんじゃないかななんて…。

『そうだ。言いそびれたけど…Reyこと音無零です。今までありがとう。これからもよろしくお願いします』

私はみんなに深く礼をして事務所から飛び出した。
/ 117ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp