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アイナナ夢

第28章 Rey22




イマイチ乗り気にならない私だったが、全員でバーベキューなんだから参加しないわけにはいかない。
とにかくみんなを集めなければ。私は社長室を出てレッスン室へ向かう。

『社長がみんなでバーベキューしたいみたいなんで集まって』

紡さんと一織以外が集まる。
レッスン前だったのか、みんな私服だった。

「みんなでってReyも来んの?今日見てねえよな?」

環の言葉でギクリとした。
Reyになってから来ればよかった。
今となってはもう遅い。

『Reyも来るけど、私は行かない』
「どうしてですか?」

この際だから言ってしまおう。
もう決まったことなんだから。

『私、この事務所を辞めることになったから』
「なんで?」

驚いた顔をしたメンバーが多い中、大和さんが私に近づいた。
この中で事情知ってるの大和さんだけだし、当然かな。

『理由は…言えない』
「Rey絡み?」

私の肩に手を置いて小声で言う。
それには「はい」としか答えられなかった。

「まぁ…引き止める事はしないから」
「大和さんどうしてどんな事言うんですか」
「零が初めて会った日に俺らに言った言葉忘れたのか?」
「あ…」
「研修期間は3ヶ月。それはとっくに過ぎてる。どうするのか決めただけの話だろ?」
『そう言う事だよ』

自分で言った言葉すら忘れていた。
大和さんが合わせてくれなかったら流されていたかも。

『それに、私よりReyがもっと頑張るって』
「oh…そうですか…零とイイコトしたかったです…」
「させねえよ?」
「ほんと大和さんって零が絡むと割って入って来るよなー」
「そんなことねえって」
「あるだろ」

三月さんと壮五さんが頷いている。
過保護って意味だと思うけど。

『会えなくなる訳じゃないから今まで通りで…』
「寂しくなるけど音無さんにもいろいろあるから仕方ないよね」
「急にだから送別会も出来ないじゃん」
『え、そ、その…』

気まずくなって来た。
Reyも私なのに私の送別会なんてやられたら居場所がなくなる気がする。

「零が困ってんだろ。今まで言わなかったのは気を使って欲しくないからだろ?」
『…はい』
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