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アイナナ夢

第27章 Rey21


21

ステージを後にしたと言うのに、興奮が収まらない。
今でも心臓がばくばくしている。

「お疲れ。よかったぜ」
『ぁ…ありがと…』

大和さんに頭をぐちゃぐちゃに撫でられた。
それ以上は何も言わず、何か様子がおかしい。私がステージにいる間に何かあったのかもしれない。
入れ替わるようにIDOLiSH7のメンバーがステージに向かう。
出演直前だと言うのに重い空気を感じた。

『みんなどうしたんだろ…』

IDOLiSH7の新曲のmiss you…は切ないバラードだ。
なのに…陸や一織の表情が固い。何も起きなければいいけど……。

「おい」
『楽…』
「ここまで実力をつけてるとは思わなかったぜ?」
『無様な姿見せるわけにはいかないからね…って撫でないでよ』

大和さんに続いて楽にも撫でられた。
子供扱いされてるようでなんだかイライラする。

「やっぱりこの子と知り合いだったんだね」
「まぁな…」
「人前で別の事務所の子撫でるとか恥ずかしくないの?」
「うっせ」

あ…楽以外に九条天と十龍之介がいる…!
出演するのだからいて当然だけど、やっぱりオーラが違う。

「動画で見て君のことは知ってたよ。生だと全く違うね。顔を見るのは初めてだけど…」
『あ、ありがとうございます…』

褒められた…のかな?
テレビで見るセクシーさと言うものを感じないのはキャラを作っているってこと…?
今の十さんは優しいお兄さんって感じだ。

「Rey、お前なんで俺に他人みたいに接しやがったんだ」
『デビュー前の私が楽と仲良かったらおかしいでしょ。少し考えたらわかることだよ』
「この子、楽よりアイドルの心構え分かってるんじゃない?」

九条さんの態度…と言うか話し方かな。テレビやライブとは違う。
これが本当の九条天なのかも知れない。

「うるせえな。こいつに変な気起こすんじゃねえぞ」
「へぇ…」
「え、どういうこと?」
「なんでもねえよ」
『とにかく…八乙女さんとはただの他人ですのでよろしくお願いします』
「…あ」

一瞬だけど、楽が寂しそうな顔をした。
話すのもほどほどにして、ステージに目をやるとmiss you…の前奏が流れる。

『…えっ』

一織が歌い出しを忘れた…?

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