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アイナナ夢

第26章 Rey20


20

とうとう来てしまったミュージックフェスタ当日。
出演者とスタッフでごった返していてもう何が何だかわからない。

「大丈夫かー?」
『だ、だだ大丈夫』
「大丈夫じゃないなこれ。Reyはテレビ初めてだから仕方ないか」

IDOLiSH7と同室の控え室で待機していた。
が、私は緊張してどうにかなりそうだった。

「私もまだ早いとは思っていたんですけど…」
「社長がOK出したから仕方ないけどな…」

緊張なんてしていられないのに身体の震えが止まらない。
こんなじゃ…今までとなにも変わらないじゃない。

「挨拶回りに行きますけど行けそうですか?」
『い、行く…』

少しでも動いていれば違うと思う。
私にとってはここにいるアーティストは全員先輩であって、無様な姿なんて見せられない。
特に…八乙女楽。

「陸さんは留守番していてください」
「でも……」
「大丈夫大丈夫。兄貴に会ったらよろしく伝えておくから」
「わかりました……よろしくお願いします」

私と大和さんと紡さんが控え室から出ると、すぐ側に陸以外のメンバーが揃っていた。
流石本番中だけあって人の流れが早い。

『あ、紡さん…!』
「Reyさっ」

不味い。紡さんが流されて行っちゃう。
メンバーも気付いてない…?私が行くしかない。
紡さんの手を掴むことは出来たが、そのまま流されて…ここはどこだろう。

「…、迷ってしまった」
『早く合流しないと時間ないよ』
「はい、今行きま『危ない!』
「あっ…!」

周りが見えていなかったのか、紡さんが誰かにぶつかってしまった。
でも…この人…見たことある。

「すみません!ぶつかってしまって…きゃっ」
「顔を見せてみろ」

その人は紡さんの頬を掴んだ。
いきなり無礼な人だ。
でも……やっぱり似てる…歳をとったら楽がこうなりそう。

「な…、なっ…!?」
『ちょ、ちょっと』
「…結………」
「……結……?結って、お母さんの名前…」
『知り合い…?』
「おい、なにやってんだ!」

少し離れたところから楽の声がした。
近くにいる……?

「さっさと行け!こんなところで、女と揉めてんじゃねえよ」
「チッ…」

舌打ちをしてさっきの人は行ってしまった。
そう言えば事務所の社長は楽のお父さんだったはず。
と言うことは……さっきのが社長?

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