第25章 Rey19
『あ。楽、ここでいい』
「家までまだあるだろ」
『機材事務所に返さないといけないから』
流石に限度という物がある。
私は事務所と家の中間辺りで止まるように促す。
「持とうか?」
『いつも自分で持ってるからいい』
「そうか…何かあったら俺に連絡寄越せよ」
『う、うん…ありがと。じゃあね』
「それじゃ、明日な」
車を降りてキャリーバッグを引きながら私は事務所に向かって歩く。
楽に連絡するなんてこと…必要最低限しないと思うけど。
アドレス帳にも登録はしていない。
……履歴には残ってるけど。
『私…明日にはテレビ…かぁ…』