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アイナナ夢

第25章 Rey19




「今だから言うけど」
『?』
「ミューフェスにあいつらとお前を推したのは俺だ」

おかしいとは思った。
IDOLiSH7ならともかく、高視聴率の番組なのに私に声をかける物好きなんていないと思った。

『まだ駆け出しなのに…なんで…』
「好きなやつには手助けするだろ普通」
『……頼みたいことがある』
「なんだ?」
『アイドルの私のことを音無零とは呼ばないことと…デビューするまで私の性別は伏せて欲しい』

一番重要なことだ。
デビュー前に知られては意味がない。

「そう言うキャラ付けなんだな。分かった」
『拒否るかと思った』
「誰が拒否るかよ。キャラ付けで悩んでる奴が身近にいるし、それに…お前のこと…好きだし」

バックミラーに写る楽の顔が少し赤い。
私はそれを見なかったことにする。
アイドルのイメージは重要だから。

『そう言えば…』

楽にはどうしても聞かなきゃいけないことがある。
あの時以来きてないからいいものの…

「ん?」
『どうして私の携帯の番号知ってたの』
「ナンバーディスプレイぐらいわかるよな」
『そのぐらい知ってる。まさかそれで…?』
「……あぁ」
『楽じゃなかったら個人情報の悪用で訴えようと思った』
「悪かったとは思ってる」
『過ぎたことだし、それはもういい。私たち…友達でしょ?』

こんなこと言うのも今更すぎるけど。
楽は学生の時から知ってるから。

「あ、あぁ…そうだな。……そう言えばさ、事務所でのお前の扱いはどうなってるんだ?」
『普段は事務員だけど、最近はアイドル優先になってきてる』
「そういうことじゃなくてな…Reyの扱いだな」
『そっち…?性別のことはごく一部しか知らなくて、IDOLiSH7のメンバーもほとんど知らないと思う。驚かせるのが目的だし…そうそう。私、女性キーで歌えるようになったんだ』
「な…」

楽が目を丸くした。
それもそのはず。私は女性キーで人前で歌うことなんてほぼしたことがない。
一番聞いてるのは万理さんだと思う。

「まさかメジャーデビューに合わせてんのか?」
『それはまだわからないよ。私のデビューだってまだいつになるかわからないし』

男性キーでメインで歌っているのだから、デビューで声が変わったら面白いとは思う。
問題はそれが仕上がるかどうか…なんだけど。

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