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アイナナ夢

第24章 Rey18



「この前はありがとう。オレの穴、埋めてくれて」
『埋めてなんかない…私は歌っただけだから…』

同じ事務所じゃなかったら大ごとになっていた。
それはTRIGGERのライブの時に思い知っている。

「オレ、ちゃんとReyさんの歌が聞きたいよ」
『私…どこまで出来るか分からないけど頑張る』
「よかった。気にしてると思ってたんだ」

気にしないほうがおかしい。
そんな言葉が出るんだからやはり陸は純粋でいい子だ。

「それでReyさんどこか行くんですか?」
『社長に話があって』
「オレいないほうがいいですよね」
『来てもいいよ』

私の意思表示みたいなものだし、証人になってもらえそう。
ただ、社長に喋るまで内容は教えない。
社長室の前まで行き、私は呼吸を整えてノックする。

『失礼します』
「待っていたよ。おや?陸くんも一緒かい?」
「は、はい」
「Reyくん、あの話はどうするんだい」

早速あの話だ。
私には経験が必要なのだから、場数は踏んだほうがいい。

『受けていいですか?』
「…?」
「ミュージックフェスタで歌える自信はあるのかい?」
「え、Reyさんミュージックフェスタに出れるんですか!?」
「うん」
『ディレクターと話すだけじゃなかったんですか!?』

話がすり替わってる…?
私が生放送で…?嘘でしょ?

「あの後、番組スタッフから連絡があって君を埋もれさせるにはもったいないと言う話になったんだ」
『前に社長が言ってたのと同じですね…』
「君に期待しているんだよ。忙しいのはわかるけど、Reyの露出を増やそうと思う。いつまでも素人気分でいられると困るからね」

社長が言うのも最もだ。
私は雇ってもらっている側だし、アイドルとしてみるなら私は商品…。

『あの…ミュージックフェスタにTRIGGERは…』
「当然出るよ」
『ですよね…頑張らなきゃ…』
「君次第でメジャーもありえるよ。頑張って」
『は、はい!』

返事をして社長室を後にする。
とんでもないことになった……。
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