第20章 Rey15
「多少の喉の負担は覚悟してもらうけど…いいかい?」
『頑張ります』
自分の可能性にかけてみたい。
そんな風に思えるようになったのは…多分、楽のせいだ。
「それじゃあ早速レッスンしようか」
『え、私の仕事は』
「俺がフォローするから気にしないで」
『でも昨日…』
「社長は怒っていないよ。むしろ君が歌える様で安心してたよ」
私の肩の荷が少し減った気がした。
社長の許可無しに勝手なことをしたと言うのに。
「それだけ音無さんに期待しているんだよ」
少しでもいい。
期待に応えられるようになりたい。
前向きになれたような気がした。