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アイナナ夢

第19章 14,5(基本大和視点)



『ね、寝言って…変なこと言ってないよね…?』
「言ってない」

嘘だけど。
聞かれたら嫌なことなんだってのぐらいはわかる。
夢に誰が出たのかぐらいは気になるけど。

「本調子に戻ったみたいだし、お兄さん帰るわ」
『帰るって…終電残ってる…?』

歩いて帰れない距離ではないけどさ。
零に心配されたら俺の立場ってものがね。

「タクシー捕まえるから問題ねえよ。それに…成人前の女の子の家にいたら俺どうかしそうだし」
『散々いたくせに』
「期待してた?」
『全くしてません』

冗談で言ったけど、完全否定されるのはお兄さん悲しいわ。
つまりは男として見られてないってことだし。

『大和さん』
「ん?」
『ありがとうございました…』
「どういたしまして。ちゃんと食べるんだぞ?」
『あ、うん…』
「着痩せもするしお前さん軽いぞ」

連れてくるまでに嫌でもわかった。
モデルでも役者でもないのに軽すぎる。
胸もあるのに普段着だとほぼぺったんこだしよく分からないわ。
分からないないのは零だけだと思いたいけど。
他の子もだったらお兄さん自身なくすし。

『……』

眉間にシワが寄ってる。
怒らせたか?

「怒んなさんなって」
『怒ってない。帰るんでしょ』
「帰って欲しくない?」

そう言うと零に背中を思い切り押された。
いつかのレッスン室みたいだな…照れ隠しか?

『おやすみ!!!』
「はいはい。おやすみ」

鍵をかける音が聞こえる。
ドアの前で何か言ってるみたいだけど何を言っているのかは分からない。

「……俺、あいつの事好きなのか……?」

イマイチ俺には好きと言う感情は分からない。
演じるだけならできる。好きってなんなんだろうな。
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