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アイナナ夢

第19章 14,5(基本大和視点)



そんなことを思っていると玄関のドアの開く音が聞こえた。

「お待たせしました」
「おかえり」
「先ほど三月さんから電話がありまして、陸さんはもう大丈夫みたいです」
「それは良かったなー」
「私はこれから病院に向かいますので、零さんがもし起きた場合はゆっくり休んでくださいと言っていただけますか?」
「ん、わかった」
「それではよろしくお願いします」
「気をつけてな」
「はい」

…マネージャーも休めてるのかねえ。
変に気を利かせたかも知れないし。
明日はオフだし、起きるまでいますか。




◇◇◇




零が1度目を覚ました。
抱きしめてやりそうになったけど、思い止まった。
あいつの事を俺がどう思っているのかもまだ分からないし、病みあがりにはキツイだろ。
零が変に勘繰られるのは耐えられないし、メンバーが近づくのも正直いい気はしない。
特に無闇に近づくナギとか。
あえて言えば、イチが零を見る目が違うのも気になってはいる。
そんなことを思いつつ、ベッドに背を預けていたら居眠りしてた。

零が起きたのか物音がする。
俺はいたずら心で寝たふりをしていた。

『……ぇ』

この状態では零の動きは見えない。
想像くらいならできるけど。

『そうだスマホ…』

スマホが入った鞄ならベッド横の床に置いた。
そこに行こうとしてるのか。

『あ』
「ぐへっ」

変な声が出る。
零が俺の膝に落ちて来た。
流石にこれ以上寝たふりは無理だ。

「悪い寝てた」
『ぁ、いや、そうじゃなくて…今すぐ退…!?』

起き上がろうとした零を俺は抱きしめていた。
乱れた髪、乱れた服。そんなもの見せられたらその気がなくても俺は…
それでどうして心臓がバクバクしてるんですかね。
なるべく平然を装う。芝居なら慣れてる。

「お兄さん寂しかった」

なのに口から出た言葉が違う。
寂しい?いや違う。怖かったんだと思う。

『そんなに、寝てた…?』
「8時間くらいか?」
『ライブが夕方だから…大和さん今いつ!?』

…俺は腕から解放してやる。
零と俺との温度差ってやつが全く違うし。

「日が変わったぐらい」
『う…ところで大和さんずっといた…?』
「お前さんの寝言も聞いたぜ?」
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