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アイナナ夢

第19章 14,5(基本大和視点)


14,5

(13話と14話の中間くらい。無駄に長い)

Reyの曲のイントロが流れた時、正気かと正直思った。
零は恐らく少人数ならともかく、大人数になると怯えるんだと思う。
だからこんな場所で歌えるとは思えなかった。
一曲歌いきった零に俺は急いで向かう。

『ぁ…』
「おっと」

倒れかけた零を俺が支える。
ホント、無茶するな…。
ギャラリーからReyを詮索するような声がする。それもそうだ。人前になんか出たことがない。
ここはお兄さんの出番かな。

「こいつまだデビュー前のアイドルで、今日が初ライブなんだ。お前らこいつの声聞けたのラッキーだぜ?」
『ちょ、大和さん何言って』
「いいからお兄さんに合わせろって。顔はまだ出すなよ?」

この雨の中、顔を出したら零なのかReyなのかはっきりしないだろうから。
俺があんまり見せたくないのかも知れねえけど。

『……れ、Rey…です。と、突然失礼しました…』

深くお辞儀をして零はステージを降りる。
陸のところに行くんだろうな。
意識があるのか微妙なところだが、自分が何をしているのかわかってんのかね。

『ごめん…陸…横取りしたみたいで、ごめ……っ』

零の声が途切れた。
俺は慌てて零の体を揺する。

「大丈夫か!?Rey?おい!」

返事がない…?
そんな…お前さんに何かあったら俺…

「マネージャー!」
「は、はい!」
「こいつの自宅を教えてくれ」



◇◇◇



大和さんがこんなことを言い出すとは思いませんでした。
面倒なことを嫌う筈なのに…Reyさんだからでしょうか?

「それは出来ません」

それが私の答えでした。
Reyさんもとい、零さんのことは必要最低限教えてはいけない。

「…Reyの秘密全部知ってんだ」
「どうしてそれを…?」
「どうしてだろうな…俺にも分からない。でも…こいつが困ってたら助けてやりたいんだ。だから、マネージャー…頼む」
「大和さん…分かりました。ですが、私も行きます」

陸さんのことは三月さんと一織さんに任せることにしましょう。
ひと段落したら私も合流する手筈にすれば…。

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