第18章 Rey14
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なんだか身体がふわふわする。
私…今まで一体何してたんだっけ……。
『んっ…』
「気がついた?」
『え、ここ…』
「お前さんのベッドだな。おっと、起きなくていいぞ」
起き上がろうとすると大和さんに止められる。
……あれ?ちょっと待って。
どうして私は家にいて大和さんが私の家にいるの。
「一通り説明するぞ?」
『うん』
「お前はライブ後に熱で倒れて、リクは呼吸困難で救急車。お前さんは安静にしてれば良くなるって判断で俺が家まで運んだ」
『……それはおかしい。大和さん私の家知らないはずだし、Reyのことは一応企業秘密でしょ…?』
私の事情を知っているのは、大和さんを含めて5人だけ。
大和さんの場合は他の人に知らせていないはず。
「……あの時俺、正気じゃなかったんだと思う」
『と言うと…?』
「マネージャーに零の住所聞き出した」
『紡さん…驚いてなかった…?』
「"どうしてそれを"っては言われたな…」
頭がオーバーヒートしそう。
私が寝てる間に大和さん何をしたんだろ。
「念のために言っておくけど、着替えはマネージャーがしたし俺は何も見てないからな」
『ほんとに?』
「ホントホント。なんならマネージャーに聞くか?」
『………後でお礼言おう』
なんかみんなに迷惑しかけてない。
事の発端は一織のせいだけど。
そうだ私…人前で歌ったんだ…。
絶対歌えないと思ってたのに。
「お兄さんには?」
『え?ぁ、そっか、なんか…ごめん…』
「そうじゃないでしょ」
『…ありがとう?』
満足したのか、大和さんが私の顔を覗き込んだ。
大和さんの大きな手が私の額に触れる。体温が低いのか心地いい。
「熱、下がってきたみたいだな。零に何かあったらどうしようかと思った」
『面目無いです…』
「ほんと無理しすぎ。お前さん女の子なんだからさ、あんなことしちゃダメでしょ」
『う…でもあれは…』
「言い訳はお兄さん聞きません。とにかく今はゆっくり休もうな?」
『……はーい』
「素直でよろしい」
目を閉じるとそのまま眠りに落ちてしまった。
◇◇◇
『……ぇ』
大和さんがベッドに寄りかかって寝ている。
もしかしてずっとここにいた…?
ちょっと待って、今何時で何日なの???