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アイナナ夢

第16章 Rey12


12


楽と歩いてたの見てた…?
いつもより大和さんのトーンが低く、少し怖い気がする。
……昨日の忘れたかったこと思い出した。

『………知り合いのお兄さん』

間違ったことは言ってない。
八乙女楽と会ってました。なんて言ったらどうなる事やら。
スキャンダル事案かな?

「知り合い…ね」

大和さんは私の目を見ずに呟く。
いつもみたいにからかって来る素ぶりとかそんなもは感じない。

『大和さん?』
「お前さんが他の男と喋ってるとすげームカつく」
『あの…それって…』

嫉妬ってやつ…?
大和さんが楽に…?

「……悪い。俺どうかしてるわ」

そう言って大和さんはいつもの大和さんの表情に戻る。
正直に言えば、ついさっきまで別人みたいで怖かった。

「さ、行こうぜ」
『う、うん…や、大和さん』
「何だ?」
『迎え…来なくていい』
「俺が来たくて来ただけ。それに…」
『?』
「危なっかしくてほっとけない」

私が危なっかしい?
どう考えたらそうなるんだろう。
そう思っていると、「行こうぜ?」と大和さんが私の手を握った。

『て、手手…こ、子供じゃないんだから』
「こうでもしないとどっか行っちゃうでしょ」
『どこにも行かないから』
「ほんとに?」
『本当に』

そう言うと大和さんの手が離れた。
実際のところ、異性と手を繋ぐことなんて小さい頃以来で人目が気になると言うのが一番の理由。
別に嫌と言うわけではない。
でもなんか……なんなのかな…。




◇◇◇




「もう着いちまった」
『近いの知ってるでしょ』

距離にして一駅分ぐらいしかないから当然だ。
そう言えば…IDOLiSH7の寮って逆方向じゃなかったかな…。
そう思いつつ事務所の中へ入る。

「一緒に出勤とは仲が良いですね」

そこにいたのは一織。
学校にも通いつつもアイドル業も熟すスーパー高校生とか呼ばれている。
今日もレッスンのために早く来ていたみたい。

「だろ?」
『いや、別に私は…』
「音無さん貴女に話があります」
『私に…?』
「お兄さんも一緒じゃダメな話?」
「二階堂さんはレッスンに行ってください」

そう言われた大和さんがだんだん不機嫌になっていくのがわかる。
話って何だろう。場合によっては一人の方がいい。
一織が私の側まで寄って来ると「Reyについてですよ」と囁いた。
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