第14章 Rey10
しばらく歩いて、家近くの交差点の前で私の足は止まる。
流石にこれ以上は来て欲しくない。
『ここでいいよ』
「俺とお前さんの仲なんだから家くらい」
『ダメです』
一応私は女であって一人暮らしだ。
同じ事務所だからと言って家にまで連れてくる理由にはならない。
「ちぇ」
『子供か!』
「はいはい。今日のところは諦めるけど、ちゃんと目の周り冷やして寝るんだぞー」
『…。わかった』
今日のところって何。
そんなに私の家が気になるの?
『…きょ、今日はありがと』
「お前さんも気をつけてな」
う、また撫でられた…。
私は大和さんに背中を向け交差点を渡り家へと向かう。
しばらく視線を感じたのは多分大和さんだと思う。
「……今の、誰だ?」