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アイナナ夢

第13章 9,5(大和視点)


9,5

(大和視点で短い。夢主不在)

零があそこまで怯えるなんて思わなかった。
あんな状態じゃとてもじゃないがアイドルなんてさせられない。
俺は甘く考えていたと今更ながら思う。

Reyになった音無零は正直キャラ付けも見た目もいいと思う。
それを本人がどう思うかはまた別なんだけどな。

「連れて来たのは二階堂さんでしょう。責任取ってください」

イチに言われて俺は正気に戻る。
あんな状態で零を一人になんてできない。

「そう、だな…」
「彼……ワタシ会ったことありますか…?」
「何言ってんだよナギ。あんな子事務所にいなかっただろ」

ナギは勘が鋭いところがある。
勘付かれるのも時間の問題かも知れない。
その前に表舞台に出してやりたいとは思ってたが…。

「俺…」
「いいから行ってください。このままレッスンされても迷惑です」
「……行ってくる」
「本当に人騒がせなリーダーですね…」





俺は一体どうしたかったんだ?
零にあんな表情をさせたかったわけじゃない。
笑った顔が見たい。
日の当たる場所に出て欲しい。
本当の自分を俺に見せて欲しい。

俺がそんなことが言える身分じゃねえけど。

でもそれとは別に他のメンバーに会わせたくない。
俺だけが知ってる零。
たまに見せる女の子になる零。

そんなことを思う俺は異常なのだろうか?

「ほんと…俺どうかしてる」

最初は遊び半分で、復讐の材料ぐらいにしか考えていなかった。
今の俺は……あいつがいなくなるのが怖い…?

俺の足は零のレッスン室の前で止まった。
行きそうな場所を知らないし、そう言えば事務所とTRIGGERのライブ以外で会ったことがない。
ここにいなければ、俺にはどうすることも出来ない。

「……どうするって俺が一体何をしてやれるんだ」






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無自覚
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