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アイナナ夢

第11章 Rey8




「なんとかなるだろ。お前の歌を初めて聞いた日覚えてるか?」
『ま、まぁ…幽霊がどうのって』
「その日に俺は幽霊に会ったことになってる」
『つまり…?』
「初対面じゃないから一緒にいても問題ない」

言われてみればそうだ。
顔見知りなのだから話も合わせやすい。

「何かあったらフォローしてやるから安心していいぜ?」
『その何かあるのが前提みたいな言い方』
「何も起こらない方が無理な話だと思うぜ?」
『確かにそうだけど…』
「今から試してみる?」
『い、今から!?』

普段着がない訳じゃないから着替えれば出来るけど、心の準備が出来ていない。
それに…普段着を着た私を知っているのは、初めて会った社長だけだからとてもじゃないけど緊張してしまう。

「外に出ててやるから着替えて」
『大和さん…レッスンに戻っていいんだよ…?』
「ここまで来て引くわけないっしょ」
『………分かった。着替えたら呼ぶよ』

大和さんが出て行くのを確認すると、私はいつものスーツを脱いで普段着に着替える。
基本的に黒い服しか着ないし、パンツにワイシャツにジャケットと言うシンプルな格好だ。
腕にはシルバーのブレスを付ける。
前髪も戻し…これで一応普段の私に戻った訳だ。

『大和さん、もういいよ』

ドアに近づいて声をかける。
「はいよ」と返事が聞こえると、ドアが開いた。
私は内心ビクビクしていた。

「……お前さん着痩せするタイプなんだな」
『どう言う意味よ』
「性別が迷子」

思ったことをそのまま言ったらしく、私はカチンときた。
私は横目で大和さんを睨んだ。

『気に障ること言わないでくれる?』
「すいませんでした」
『分かればよろしい』
「それじゃあ行きますか」
『どこに』


「メンバーがいるレッスン室」
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