第11章 Rey8
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私が事務所に戻ってから陸と一織が消えたと聞かされた。
でも、一織が一緒なら問題ないだろうという安心感がある。
そんな事を思っていると、紡さんと大和さんが帰ってきた。
「ただいま戻りました」
『おかえりなさい』
「TRIGGERのマネージャーおっかなかったなー充電してなきゃ即死だった」
『や、大和さん!』
にっこり笑う大和さんに対して私は最悪だ。
記憶から消えていたのに思い出した。
「充電?なんのことですか?」
「んー、秘密」
こっち見ながら言わないでください。
紡さんが不思議そうに見てるから!!!
「零さんの人見知りもよくなったみたいで良かったですね」
『誰かさんのせいでね』
そう言いながら横目で大和さんを見る。
目が合って慌てて逸らした。
あ、まずいこれまた弄られる。
「お前さんが可愛いからどうしてもいじめたくなるんだよな」
「何を言っているんですか。零さんはカッコいいんですよ?」
『………ん?』
大和さんはいつも通りだとして、紡さん…今なんて言いました?
聞き間違いだと嬉しい。
「あ、なんでもないです」
「零がカッコいい…ね」
大和さんがこっちを見て笑う。
紡さんのこと気付いたのかも…。
そう言えば私、協力者のことは何も話してない。
「零、ちょっといいか?」
『……そんなことより練習はいいの?』
「どっちも大事だけど今はこっち」
普通練習が優先じゃないの?
新曲発表まであまり時間がないのに。
「マネージャー、こいつ借りるね」
『行くって言ってない』
腕を組まれて自分では解けない。
こんな時に本気出さなくてもいいんじゃないかな?
「大和さん…零さんのことになると強引なんですから…」
◇◇◇
やってきたのは私専用のレッスン室。
あの話関連だと必ずここで話している。
「で、俺と社長以外は誰が知ってんの?」
やっぱりその事だった。
大和さんの洞察力はなかなか侮れない。
ちょっと口を滑らせただけでこうなる。
『紡さんと……万理さん』
「本当に俺たち以外なのな」
『だと思う…他にいるなら私は知らない』
「俺だけだと良かったのにな」
『…?』
首を傾げると、大和さんは「いやこっちの話」とだけ呟いた。