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アイナナ夢

第8章 Rey5




紡さんを見送るとスマホに通知が来ている事に気がついた。
……大和さんからラビチャだ。昨日のアレ以来、既読スルーし続けている。

【これから鍵かけるの絶対忘れんなよ】
【お前さんも大変だな】
【心配しなさんなって。まだ言ってないから】
【おーい】
【お兄さんさみしい】
【これから会えないか?】
【もしもーし】
【きなこのスタンプ(涙)】

暇なのかこの人は。
2、3時間に一回は通知が来ている。

『はぁ…』

私は大きくため息をついた。
私のことはほっといて欲しい。

「お、いた」
『ひゃい!?』

後ろから突然肩を叩かれて変な声が出てしまった。
声だけでわかる。既読スルーし続けた大和さんだ。

「お兄さん寂しかったんだぜ?」
『そんなの知らない』
「釣れないなー」

そう言いながら大和さんが私の頭をわしゃわしゃと撫でる。
髪が崩れるからほんとやめて欲しい。

『ちょ、大和さん…!』
「お前さんホントかわいいなーよしよし」
『ちょっと、やめ!』
「言動がおっさんだぞ」

そう言った三月さんに反応して撫でる手は止まった。
三月さんに心の中で感謝した。と言うか、三月さんとナギさんも一緒?

「うるさい七五三」
「誰が七五三だ!」
「ヤマト…いつの間に仲よくなったです!?」

慌てて髪を直す。
この様子だと本当に何も言ってないのかな…。

「零、ワタシとイイコトしましょ」
『イイコト…?』
「はいはい、ナギは近いから離れましょうね」

大和さんが私とナギさんの間に割って入る。
ホントなんなのこの人。

「なあ、おまえ大和さんと何かあった?」
『いいえ特に何も』
「俺たち仲良いだけだよなー」

話を逸らしたいのに大和さんが私の肩を抱くようにして隣に立つ。
馴れ馴れしいだけなのか、嫌がらせなのか。一体どっちなんだろう。

「NOーーーーーずるいでーーーーす」
「ナギうるさい」
「零、ヤマト名前で呼んでいませんでした」

どうしてそこに食いつくんですか!
話がややこしくなる前に逃げたい。

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