• テキストサイズ

アイナナ夢

第39章 Rey29


29

仕事の合間を見つけては大和さんに捕まり、芝居の練習に付き合わされる私。
最近は台本にない事をしてる気がする…腕を回して来たりとか、耳元で喋ってみたりとか。
それに…練習以外だと目を合わせてくれなくなった気がする。

今日は録画したドラマの上映会をしようと言う話になっていた。
どうせだからとアイナナのメンバーがいる寮で、と言うことになりその中に私も加わっている。

「いらっしゃい。零さん」

インターホンを鳴らして出迎えてくれたのは壮五さんだった。
寮と言うだけあって、建物自体も結構大きかった。
となると…メンバー全員に部屋があると見ていいかな。

『良いの?私入って…』
「帰りは大和さんに送ってもらうから大丈夫だよ」

どうしてそこで大和さんを指定するのか。
成人済みは3人いるはずなのにおかしい。

『そもそも男子寮みたいなものでしょ?私に見られたら困るのものとかあるんじゃないの?』
「零さんが来るのに大和さんだけ嫌がってたけど…」
「珍しいよなーヤマさん」
『見られると困るんだ』
「そうでもねーよ。だってヤマさんの部屋なんもないし」

部屋に入るつもりなんてないけど。
なんかいけないことしてるみたいな気になっちゃうし…。

『それで、どこで見るの?』
「みっきーの部屋」
「ナギくんがシアターセットをセッティングしていたから楽しみだね」

し、シアターセット…?
普通はなかなか持ってないよね…。

「早く行こ」
『わ、ちょっと』

私は環に腕を引っ張られながら奥へと連れて行かれる。
そしてリビングにいた大和さんと目が合う。

「…っ、いらっしゃい」
『お邪魔します』

あからさまに目を逸らされた。
ほんと最近の大和さんはおかしい。

「タマ、手離してやって」
「なんでだよ」
「なんでも」

私を見ずに大和さんが言う。
避けられてる…のかな。妙な違和感を感じる。
よそよそしいって言うか…なんと言うか。

「ならヤマさん連れてって」
「はあ?」
『場所さえ教えてくれれば自分で行くし…』
「零もこう言ってんだから」
「大和さんらしくないですね」

そうだ。
違和感の正体は大和さんらしくないことだ。
でも…大和さんらしいってどんなだっけ…?

/ 117ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp