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アイナナ夢

第38章 28,5(大和視点)


28,5(大和視点)

俺の本気が想像付かないなんて言われちゃ見せるしかないだろ。
ま、それには相手がいるんだけど言い出しっぺの零にやらせる事にした。
学園モノじゃよくある、生徒と教師の恋愛ってヤツ…やってやろうじゃん。

「音無、放課後に呼び出して悪かったな」
『私に何か用?二階堂先生』
「用がなきゃ呼んじゃダメか?」
『ダメって先生が何言ってるの』
「お前が仮病使ってここに来るなんていつものことだろ?」

よくある設定にすれば零もノリやすいだろう。
保健医に会いに来る口実が仮病ってのはよくある話だ。

『だって授業つまんないし…先生と話してる方が楽しいもん』

零の表情が切り替わった。
スイッチが入ったって言った方がわかりやすいか?

「お前さ、大人を勘違いさせるようなことしない方がいいぞ?」
『……先生に勘違いしてほしいから』
「卒業まで待ってられなかったのか?」

そう言って零の顔を見つめる。
すると顔を赤くして顔を逸らされた。
その仕草ヤバいんだけど。

「黙ってちゃ分からないぞ」
『ずるいよ…』
「何がずるいって?教えて、零…」

そこから煽るように俺が続ける。
こんな零…ずっと見ていたい。
俺は思わず頭に手を乗せた。何やってんだ俺。

『その気がない癖に…わ、私…、私だけ、勘違いしてるみたいで…その…わた、し二階堂先生が…す、っ?』

額にキスしたように見せる。
実際は俺の手にしてるけど。
直前で目を閉じられた。あーこれじゃ勘違いしそうだわ。

「…ん、それ以上はこれで我慢な」
『ぇ?』

零の顔がさらに赤くなってく。
耳まで真っ赤だ。俺が原因とは言え、これ本当に演技…なのか?
やべ…ほんと可愛いわ。

「っと、こんなもんでしょ」

何もなかったの様に気持ちを切り替える。
俺にとってはここからも演技みたいなもんだ。

「大和さんすごいですね!私ドキドキしちゃいました」
「大和くんもだけど、音無さんもお芝居出来てるよね?初めてとは思えないよ」
「完璧に恋する女子生徒でした。きゅんとしちゃいます」
「零にも素質はあると思ってんだよね。ん?おーい零ちゃーん?」


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