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アイナナ夢

第37章 Rey28




「あー、さっきのキスしてないからな。手、当てたのわかんなかった?」
「え、そうなんですか!?本当にしてるのかと思っちゃいました」
「零にそんなことできないでしょ。ま、お前さんは直前に目閉じちゃったから分かんなかったかもな」

そっか…あの感覚は手だったんだ……。
どうして少し残念に思ってるんだろ。

「しても良かったけど」
『ひゃっ!?』

大和さんが私の耳元に近づいて囁くように言う。
な、何、今の私の声…?

「へえ…耳弱いんだ?」

悪そうな顔しながら言わないでください。
その顔、悪役にしか見えないし。
あーもう顔が見れないじゃない!

「大和くんその辺にしてあげたら?」
「おっと、零が可愛い反応するからつい」
「そういうのは現場でやっちゃダメだからね」
「はいはい」
『また大和さんに遊ばれた…』

恥ずかしい上に悔しい。
まさに公開処刑と言うやつかも。

「ベタな設定にしたけどちゃんと乗って来るし、表情も上手いしやっぱ才能あるって」
『わ、私じゃなくて大和さんのオファーでしょ!巻き込むのやめてよ』
「えーいい練習相手になりそうなのに」
『"えー"じゃない』

まさかとは思うけど、練習に付き合わされる…?
2時間ドラマって言ってたから長期間じゃないはずだけど…。
それに殺される教師役だし。

「さっきのは冗談抜きで可愛かったわ」
『からかわないで』

また顔が熱くなって来た…。
絶対私の反応で遊んでる。

「そんじゃ、俺先に帰るわ」
「お疲れ様です」
「大和くんお疲れ様ー」
『お疲れ……』

一気に疲れた。
大和さんが出て行ったドアを紡さんと万理さんが見ている。

「たらしですよね」
「自覚ないんだろうなあ…」
『え?』
「こっちも自覚ないんだろうなあ…」
「大事にならなければいいですけど…」

何の話をしているのか分からない。
大事って…何か問題でもあったのかな…私が原因?

『私何か悪いことでもしてる…?直せるなら直すけど…』
「多分直せないと思うよ」
『え、どうして…?』
「俺が大和くんと同じことしてみればわかると思うけど」

同じことってさっきの芝居…?
すると万理さんが私の頭に手を乗せた。

「どう?」
『どうって…ありがとうございます?』
「大和さんにされたときはどう思いました?」

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