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アイナナ夢

第36章 Rey27




「ワタシの勘ではヤマトを殺した犯人、嫉妬にかられた人物です!心当たりないですか!?」
「俺は殺されてねえから!……メールよこした監督、なんて人?」
「木下正巳監督です」
「ああ、あのおっさんか…。悪いけど、俳優業には興味ないんだ。この話は断ってよ」
「大和さん…」
「コンビニ行ってくるー」

この話題から逃げるようにレッスン室を出て行く大和さん。
芸能界に知り合いがいるのだろうか。

「……本人が乗り気じゃないなら、仕方ないですよね…」
「監督と知り合いだったんでしょうか」
「ミュージックフェスタでテレビ局行った時も、何人か知り合いいたみたいだよな」
『実は顔が広い…?』
「そうなんですか?」
「うん。向こうから大和さんに声かけてた。久しぶり、とか」
「大和さん芸能界にいたのかな…」

仮に芸能界にいたとしたら、アイナナに加入する前から知ってる人がいてもおかしくない。
でもそれがなかった…?

「履歴書にはそんな経緯はありませんでしたけど…」
「OH…残念です。折角のチャンスでしたのに」

前に私に直接"役者もいけそう"と言っていたのを思い出した。
小さい頃から芸能界に関わってるとしたらもしかしたら…大和さんの親の方かもしれない。
いや…余計な詮索は止めよう。

………でも大和さんのことは知りたい。
みんなに仲良いって言われるけど大和さん自身のこと、あまり知らないから。
大和さんが喋りたがらないだけかも知れない。
それか…言いたくないのか。

『そう言えば、大和さんってどうしてアイドルになろうと思ったのか知ってる?』
「冗談なのかはわからないですが、復讐と言っていました。それ以外は何も」
『復讐…』

もしかしてそれが関係してる…?
だとするとアイドルを目指す前に何かがあったってことだけど…考えるのはよそう。

「大和さんから聞いてねえの?」
『私、大和さんのこと何も知らないから…』
「そっか…」

空気が重い…。
私また余計なこと聞いちゃったのかな。

「音無さんの方は大丈夫?」
『え、何が?』
「仕事あるんじゃない?」
『社長が私が女だから無理はさせられないって、出演依頼も絞ってるみたいで…出来ればIDOLiSH7と一緒に仕事させたいんだって』
「親かよ!」
「私とそんなに変わらないからでしょうね。それにまだ未成年ですし」

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