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銀魂 蝶の唄

第4章 公園


山崎さんは縄をほどくと、

手首だけなら、とポケットから金属でできた輪っかを取り出したし、


私の手首にはめた。


「それ……」

「ごめんね。手錠なんか付けられたくないと思うけど」


山崎さんが取り出したのは手錠だった。

今まで実物をみたことはなかったけど、案外丈夫そうな造りをしている。
鍵穴があるから、鍵でしか開かないのだろう。

「じゃあ、行こっか」

「はい」


ゆっくりと立ち上がり、山崎さんの後を追った。



取り調べ室も、私が縛られていた場所と同じくらい薄暗かった。
窓が一つもなく、外界を遮断しているかのようだ。


「窓ないし、暗いですね」

「外へ情報が漏れちゃいけないからね。あ、ここに入ってね」

山崎さんから部屋に入るよう言われ、中を覗く。

一つの机をはさんで椅子が一つずつ、向かいに配置されていた。

椅子の上にはゴリラが座り、土方さんと沖田さんはゴリラの側に立っている。



「あの、土方さん。ここはペットを飼っているんでしょうか?」

「はぁ?何のことだ?」

「……あ、ごめんなさい。あれですよね、ポチはペットじゃなくて家族なんですっていう……。
ペットを大事にされているんですね。
でもポチよりゴリの方が……」


私がもぞもぞと伝えると、土方さんはようやく意味に気づいた。

「……近藤さん、アンタのことを言ってるみたいだ」

土方さんがゴリラの肩をポンポンと叩き、慰める。


「俺、初対面の女の子にもゴリラって言われるのか……」

「近藤さん、そりゃ仕方のねェことでさァ。それを背負ってアンタは生きていくんですから」

「ゴリラを背負って生きていくの!?絶対嫌だァァァァ!」

「こ、近藤さん!!」

ショックだったのか、近藤さんは泣きながら取り調べ室を飛び出して行った。
土方さんは追いかけようとしたけれど、

「まぁいいか」

とゴリラが座っていた椅子に腰を下ろす。


「お前も座れ」


土方さんに促され、椅子に座ると


「今から取り調べを行う」
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