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赤い月(銀魂 阿伏兎)

第1章 プロローグ


「団長がペットなんて飼えるような人だとはどうにも思えないんだけどねぇ。…ていうか飼おうとも思わないと思ってた」

「…う~ん。地球に行って、俺も少し変ったみたいだよ」

神威は少し考えながら、背負っていた袋を目の前に下ろした。

そして袋をひっくり返すと、小さな悲鳴が上がった。

「!」

袋から出てきた人物を見て、俺はさすがに面食らった。

年の端は団長と同じくらいだろうか、いや、もう少し上かもしれない。黒い髪の、いかにもか弱そうな少女だった。

怯えた目で俺を見つめ、目を白黒させている。

俺も声も出せずに見つめていると、

「にゃ、にゃあ?」

彼女は引きつった笑いと共になぜかプロ級の猫の鳴き真似をした。

「ナニソレ」

冷えた突込みを入れる神威に対して、

「お、おじさん…ずきゅんときちゃったよ…」

想像を越えた萌え展開に、俺は膝から崩れ落ちた。
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