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99.9%のDNA【気象系BL】

第7章 バングル…


仄かに木の香りのする脱衣所で服を脱ぎ、浴室への扉を開けると、そこに広がっていたのは、まるで温泉旅館と見紛うばかりの光景で…

「すげぇな…」

溜息交じりの兄ちゃんの隣で、俺はただただ首を上下に振るしか出来なくて…

「入ろうぜ」

兄ちゃんに腕を引かれて浴室に一歩足を踏み入れると、多分桧だろうか…、足の裏に感じる木の感触が気持ちいい。

「前にさ、話には聞いてたんだよな、この辺は源泉かけ流しだから、ってさ…。でもまさかこれ程とはね…」

俺の腕を引いたまま、兄ちゃんが湯船に片足を突っ込む。

でも、

「待って? ちゃんと洗ってからじゃないと…」

いくら源泉かけ流しとは言ったって、他人様の家の風呂にかけ湯もなしに入るなんて…

「そっか、そうだよな…。んじゃ、お前そこ座れや。背中流してやるよ」

「うん」

丁度シャワーの下に置かれた小さな木の椅子に腰を下ろすと、兄ちゃんが手桶にお湯を掬って、それを俺の背中に流しかけた。

「熱くないか?」

「うん、丁度いいよ」

タオルなんてないから、兄ちゃんが手のひらでボディーソープを泡立ててから、俺の背中を撫でた。

背骨に沿うように、肩甲骨をなぞるように…

丁寧に丁寧に、俺の身体に柔らかな泡を纏わせた。
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