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99.9%のDNA【気象系BL】

第7章 バングル…


「あ、ねぇ、弟くん固まっちゃったみたい」

呆然と目を点にする俺の前で、手がヒラヒラと舞う。

「おい、潤?」

「へ? うん…」

「何だよ、鳩が豆鉄砲でも食らったような顔して…」

って、いかにも自分は関係ありません、みたいな顔するけどさぁ…

兄ちゃんのせいじゃんか…

「お前が顔に似合わないことするからじゃね? 大体お前、人前でキスとか平気でするタイプじゃないでしょ?」

翔さんが作業台の上に人数分のコーヒーを用意しながら、まるで俺の気持ちを代弁するように言う。

「えっ、そうなの? こんなの普通だろ?」

当然、と言わんばかりに兄ちゃんが翔さんと俺とを交互に見て、まだ湯気の立つコーヒーを一口啜った。

やっぱり今日の兄ちゃん、いつもと違う。

気心の知れた仲間が一緒だから?

現に、二人とは同じ施設で育って、兄弟みたいな関係だ、って兄ちゃん言ってたし…

「コーヒー、冷めないうちにどうぞ?」

「あ、はい…、頂きます…」

作業台に置かれたマグカップを一つ手に取り、口を着ける…けど、予想外の熱さに…

「アチッ…」

小さく呟いてマグカップを作業台に戻すと、チリチリと痛む舌先を指で摘まんだ。

自分が猫舌だってことすっかり忘れてた…

「火傷か?」

顔を顰める俺の頬を、兄ちゃんのふっくらとした手が撫でた。
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