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99.9%のDNA【気象系BL】

第7章 バングル…


立ち話もなんだから、と翔さんがパイプ椅子を用意してくれたから、俺はジャケットを脱いでそこに腰を下ろした。

「で、あの…、ここ…は?」

室内をグルッと見回すと、綺麗に整頓された工具やら、オーブンのような窯のような、ちょっとした設備もある。
それにデザイン画らしき物が、壁の至る所に貼られていて…

ふと、その中の一枚に俺の目が止まる。

「あ…、これ…」

確か…

俺はネクタイを緩め、ボタンをいくつか外すと、首に下げチェーンを引っ張り出した。

やっぱりそうだ…
去年の誕生日に、兄ちゃんがプレゼントしてくれたシルバーのリングと同じデザインだ。

「兄ちゃん、もしかして…?」

「そう、それ作ったの僕」

俺の前にパイプ椅子を置き、跨るように座った智さんが、自慢げに鼻を鳴らした。

「ふふ、気に入ってくれてるみたいで嬉しいよ」

「そ、そりゃもう…!」

だって兄ちゃんから初めて貰ったプレゼントだもん。
気に入らないなんてありえない。

現に、普段は指に嵌めることは出来ないけど、ずっと肌身離さず着けてるし…

「良かったぁ。あ、でね、今日来て貰ったのはね…」

「智! 俺が言うから…」

言いかけた智さんを遮って、兄ちゃんが一つ咳払いをした。

そして俺の手を掴むと、甲に唇を落とした。

「ちょ…、兄ちゃん?」

普段はそんなキザなこと絶対にしないのに…

それに何より人前でなんて…

今日の兄ちゃん、いつもと違う?
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