第7章 バングル…
兄ちゃんに支えられながら、ログハウス風の家の中に入ると、そこは一見アトリエと言うか、工房のようになっていて…
「君が和の弟くん?」
声をかけられて振り返ると、フワッとした笑顔の女の子…じゃなくて、エプロン姿の男が立っていて…
「あ、そう、コイツ弟の潤。で、コイツは俺の施設時代のダチで、智な。こんな形してるけど、俺より年上なんだぜ?」
兄ちゃんのテンションが珍しく高いのが、その弾んだ声色で分かる。
「あ、どうも…潤です。あの、兄がお世話になってます」
「ふふ、僕は大野智。和とは施設で知り合って、んで…って、今和が言ったっけ?」
何なんだ、この人は…
天然なのか、それとも狙いなのか?
いや、そんなことはどうでもいい…
「兄ちゃん、何でこんなトコに?」
それに兄ちゃんにこんな友達がいるってことも、初めて聞いたし…
「それなら俺が説明しようか?」
「えっ…?」
智…さんとは違う声に振り返ると、そこには工具箱だろうか…を手に下げた、キリっとした顔の男が立っていて…男は工具箱を作業台のようなところに置くと、俺に右手を差し出してきた。
「俺は翔。君と同じくアイツの弟だ」
「アイツ…って、智…さん?」
二人は兄弟なのか…
それにしても、全然似てないけど…
「そ。とは言っても、君達みたいに血は繋がってないんだけどね? 因みに俺も和也とは同じ施設の出身な」
なるほど、道理で…