第5章 アルバム…
あんなに面倒だった片付けも、始めてみると案外楽しくなるもので…
ゲーム感覚、っての?
空いた隙間に、ブロックを埋めてく感じ?で、物を仕舞って行くと、面白いくらいに片付いていく。
気付けば俺の部屋には、あっという間に空になったダンボールが積み上げられていた。
って言っても、まだ半分は残ってるんだけどね?
「よし、今日のところはこれくらいにしときますか…」
俺は最後にもう一つ、とダンボールを手に取った。
「ゲッ…、重っ…」
何が入っているのかは、側面を見ても書いてないし、何より俺の記憶に、こんな重いダンボールの存在は…多分ない。
若干訝しみながらも、ズッシリと腰に来るダンボールを床に置き、ガムテープを剥がした。
「えっ、コレって潤の…?」
中に入っていたのは、数冊はあるだろうか、アルバムで…
俺はその中の一冊を手に取った。
ページを捲って行くと、そこには子供の頃の潤がいて…
「なんだよアイツ…、全然変わってねぇじゃんか…」
笑った顔も、泣いた顔も、それに怒った顔も…
今と全く変わらない潤の姿が、そこには溢れていた。
当然だけど、この頃の潤の姿を、俺は知ってるわけじゃない。
兄弟とは言え、俺達は別々の人生を歩んで来たんだから…
それでもどこか懐かしさを感じるのは、やっぱり俺達がDNAで繋がった“兄弟”だから、なのかもしれない。