第5章 アルバム…
「さあて、どうする? 」
潤よりは少ないものの、部屋の3分の1を占領するダンボールの山を見つめた。
片付けは、正直言って得意じゃない。
寧ろ“苦手”?な部類。
極端なこと言えば、寝る場所は確保したし、仕事するスペースもある。
勿論、ゲーム機だって、全て設置済み。
こんだけ揃ってりゃ、ハッキリ言って俺の生活は成り立つ。
でもそれを良しとしないのが潤だ。
潤は俺の部屋に入る度に、兄の俺に向かって説教をしてくる。
“兄”の俺に、だよ?
しかも昨日の夜の事だ。
「部屋が片付くまでエッチはお預け!」
宣言までされてさ…
どうもダンボールに囲まれてエッチしても、気分ごノレないっての理由らしいが、だったら潤の部屋ですりゃいいことじゃないか、って俺は思うわけよ。
潤の部屋は、俺の部屋と違って、完璧なくらいに片付いてるんだからさ…
「はあ…」
俺は深い深いため息を一つ落とすと、重い腰を上げた。
仕方ない…、ちょっとは片付けるか…
エッチはともかくとして、毎晩毎晩潤の有難くもくどいお説教を聞くのも、もう飽きた。
くどいのは顔だけにしてくれ、なーんて思っちゃったりするわけよ。
俺はゲンナリした気分を片隅に追いやって、ダンボールを1つ手に取った。
中身はこれからの季節、必要になってくる服の類だ。
ご丁寧にダンボールの横に書いてくれてあるから、見ただけですぐ分かる。
ガムテープを剥がし、蓋を開けると、種類毎に分けてクローゼットに仕舞った。