• テキストサイズ

99.9%のDNA【気象系BL】

第4章 同居…


「ご馳走様でした」

個室を出た俺達は、カウンターの向こうで洗い物をしていた雅紀先輩に向かって頭を下げた。

「なんだ、もう少しゆっくりしてけばいいのに」

雅紀先輩が心底残念そうに笑って、洗い物の手を止めた。

俺も出来ればそうしたいところだけど、でも…

「また再来月来ますよ。今度は潤の誕生日なんで」

俺の代わりに和が答える。

そして俺の腰に手を回して引き寄せた。

「な、潤?」

「う、うん。そうだね…」

もう…、さっきまでの人見知りはどこ行ったんだよ…

まるで別人のような和が、俺を見上げてニヤリと笑う。

「そっかそっか。あ、そうだ、ちょっと待ってて?」

そう言うと雅紀先輩が奥の厨房へと入って行った。

そして戻って来た先輩の手には、小さな箱が抱えられていて…

「これさ、俺からのささやかなプレゼント」

そう言ってその箱を俺達に向かって差し出した。

「ケーキなんだけどさ、良かったら二人で食べてよ」

「マジで? うわぁ、雅紀先輩の造るケーキ超美味いんだよな」

「へえー、そうなの?」

俺の隣で和が少しだけ驚いたように声を上げて、箱を少しだけ開けて、中を覗き込んで、満足そうに顔を綻ばせた。

「家帰って、二人で早速頂きますよ」

和が俺の手をそっと握った。
/ 206ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp