第4章 同居…
「はい、あーん…」
俺の口に、和がハンバーグを突っ込む。
この年になってまさか”あ~ん”されるなんて…
思ってもなかった…
「美味いだろ?」
「う、うん…とっても…」
ヤバいよ…
どんどん顔が熱くなってる…
なのに和の手が不意に伸びて来て、俺の唇の端を親指が掠めた。
「な、なに…?」
思わず声がひっくり返る。
「ソース、着いてたぞ?」
そう言って、ソースの着いた親指をペロリと舐めた。
ああ…
俺、もう顔から火ぃ吹きそ…
「どうした? 顔赤いぞ?」
どうした、って…
それ、俺に聞く?
「もう…、和のバカ…」
俺はグラスに残っていたジュースを一気に飲み干し、空になったグラスを乱暴にテーブルに置くと、ナイフとフォークを手に、ハンバーグを頬張った。
「なあ、とっとと飯食って家、帰ろうか?」
「えっ…?」
「ハンバーグも超美味いんだけどさ、俺、もっと美味いもん食いたくなったんだよね…」
それって、もしかして…?
「俺、お前が食いたい」
ああ…、俺もうダメ…
限界値超えてる。
「ダメか?」
ナイフとフォークを置いて、和が俺の顔を覗き込む。
それも俺が一番好きな、悪戯っ子みたいな笑顔でさ…
そんな顔されたら、俺…
「ダメ…の反対…」
って、答えるしかないじゃん…