第4章 同居…
「えっ…そんなのいつの間に?」
和が鍵にぶら下がったキーホルダーを揺らす。
俺が和の鍵に付けたのは、和のイニシャルでもある“K”を型どった、ゴールドのキーホルダーで、小さなアメジストが嵌っている。
俺の鍵には、“J”を型どった、シルバーのキーホルダー。
シトリンが嵌っている。
「さっきさ、親父さんへんプレゼント包装して貰ってる間にね」
見つけた瞬間、“コレだ”って思ったんだ。
「どう? 嬉しくなかった?」
和が手のひらの中の鍵を見つめたまま、ピクリとも動かなくて…
もしかして気に入らなかったとか…?
不安になる。
「あ、あのさ、もし気に入らなかったらさ、別の物ちゃんと用意するから…。
…ゴメン…」
ちゃんと聞いときゃ良かった…。
兄ちゃんの欲しい物…
馬鹿だ、俺…
俺達の間に重い空気が流れ始めた、その時…
風間先輩が、両手にハンバーグの乗った鉄板を持って部屋に入ってきた。
ジュージューと油を跳ねさせる鉄板がお互いの前に置かれ、空になったスープ皿が下げられた。
「美味そ…。冷めないウチに食べよ? ね、兄ちゃん?」
俺はナイフとフォークを手に、鉄板の上のハンバーグと兄ちゃんの顔を交互に見た。
今の俺…、超無理矢理な笑顔してんだろうな…