第4章 同居…
暫くして二人分のジュースと、スープが運び込まれ、俺達はお互いのグラスをカチンと合わせた。
「おめでとう、和」
「お、おぅ…、ありがとう」
ジュースを一口飲み、和がスープを啜った。
「あ、美味しい…」
余程和の口に合ったのか、和が一口、また一口と、甘い物があまり得意ではない和のために、特別に作って貰った甘さ控えめのパンプキンスープを口に運んだ。
「あ、そうだ…。新しい部屋の鍵、出して?」
俺は和に向かって右手を差し出した。
「ん? なんで?」
「いいから、出して?」
急かす様に言うと、渋々とばかりに和がポケットから鍵を取り出し、俺の手のひらに置いた。
「ちょっと待っててね」
俺は席を立つと、和に背中を向けて向けた。
そしてポケットからある物を取り出すと、それを和から預かった鍵に取り付けた。
それからもう一つ、俺の鍵にも同じように…
「おい、潤?」
「ちょっと待って? もう出来るから…」
よし、ここをとうすれば…と、出来た!
「和、手出して?」
「こうか?」
俺は再び席に着くと、差し出された和の右手に、自分の左手を添えた。
そして俺の右の手に握り込んだ鍵を、和の手のひらにポンッと乗せた。
「えっ、これって…?」
和が自分の手のひらの鍵と俺を交互に見る。
「俺からの誕生日プレゼント。因みに、俺もホラ」
俺はポケットから自分の鍵を取り出すと、それを和に向かって見せた。