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99.9%のDNA【気象系BL】

第4章 同居…


「いらっしゃい」

少し重たいドアを開けると、明るい笑顔が俺達を迎えてくれた。

「お久しぶりです。すいません、急に…」

俺が頭を下げると、先輩は気にすんなとばかりにウィンクを一つ寄越し、俺の背中に隠れるように立った兄ちゃんに頭を下げた。

「お兄さんもお久しぶりですね」

「あぁ…、どうも…」

満面の笑みを向けられ、照れた様子で頭を掻く兄ちゃん。

初対面でもないのに、ほんと人見知り激しいんだから…

「一番奥の部屋、用意してあるから」

「ありがとうございます、雅紀先輩」

「可愛い後輩の頼みじゃ、断れないだろ?」

屈託のない笑顔で笑い、さっさと行けとばかりに顎をしゃくる。

俺はそっと兄ちゃんの手を握ると、そのまま手を繋いで店の奥へと足を進めた。

突き当りのドアを開けると、全体的なシックなインテリアで設えられた部屋の中央に、紫色のクロスをかけたテーブル。

その上に飾られた、黄色一色で造られたテーブルフラワー。

まるでそこだけが温度が違うような…、そんな気さえする。

「すげぇ…、こんな部屋あったんだな…」

「うん。普段は使わないんだけど、特別な時だけ開けてくれるんだ」

「へぇ…、そうなんだ…」

俺は兄ちゃんの繋いだままだった手を離すと、椅子を引いた。

「兄ちゃ…、和、座って?」

二人だけの特別な呼び方で名前を呼ぶと、和が恥ずかしそうに瞼を伏せた。
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