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99.9%のDNA【気象系BL】

第4章 同居…


選んだ家具の配達手配をして、俺達はホームセンターを後した。

兄ちゃんがおかしなこと言うから、住所間違えそうになったのには、自分でもちょっと笑ったけどね。

俺達はその足で実家に向かった。

母さんに合鍵を預けることが一番の目的ではあったけど、それ以外にも用事があって…

途中のショッピングモールに立ち寄ることにした。

「親父さんて、趣味とかねぇの?」

売り場を歩きながら、兄ちゃんが俺を見上げた。

「さあ…。特にこれと言って無さそうだけど…。強いて言えば、盆栽…かな?」

何でも友達に誘われて行った品評会で、桜の盆栽に一目惚れしたらしく、即購入。

それ以来、盆栽の世話だけは毎日欠かしたことがない…らしい。

「そっか…。盆栽ねぇ…。じゃあさ、剪定鋏なんかは? 必要なんじゃない?」

「それいいかも」

一瞬で消えて無くなる物よりも、無駄になってしまう物よりも、ちゃんと使って貰える物を…

どうせ贈るなら、喜んで欲しいしね。

「何かさ、こういうのって、案外難しいんだな? 俺、初めてだからさ、良く分かんねぇや」

そっか…

兄ちゃんは今までしたことないんだもんな、“父の日”なんてさ…

一年前までは、“家族”が何かも知らずに生きて来たんだもんな…

そうだよな…
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