第4章 同居…
「どんなのがいい? やっぱりシンプルな方がいいかな?」
引越し費用の負担も考えて、家具選びはホームセンターですることにした。
選択肢は限られるけど、いくらか予算は抑えられるからね。
「そうだな…。あんまりケバケバしいのはあんまり好きじゃないな」
兄ちゃんの性格だから、そう言うと思ってたよ。
「あ、これなんかどう? 値段も手頃だし、座り心地も悪くなさそうだよ?」
俺が指差したのは、クラシックなデザインの茶色いソファで、触った感じも、肌触りが良さそうだし、クッションも悪くない。
「へぇ、良いじゃん。それに決めようぜ」
「うん。じゃあ、あとは…。ダイニングセットだね。小さめので良いよね?」
そう来客がある訳じゃないし、二人用で充分だ…って俺は思ってた。
でも兄ちゃんは…
「いや、4人がけのにしようぜ? 母さんや親父さんが来た時とかさ、あんまちっちゃくても困んだろ?」
そう言って兄ちゃんは頭を一つ掻いた。
「そうだね。じゃあ4人がけのにしようか」
「なあ…、何かさ俺達、新婚夫婦みたいだな?」
「えっ…?」
突然おかしなことを言い出すから、俺の顔がボッと熱くなる。
「部屋探しして、家具選びしてさ、新婚みたいじゃん?」
確かにさ、そうだけどさ…
そんな風に言われたら…照れるじゃんか…