• テキストサイズ

99.9%のDNA【気象系BL】

第1章 兄弟…


潤side


まさか兄ちゃんの方から俺を尋ねて来てくれるなんて、思ってもなかった。

喜びのあまり油断すれば緩みそうになる顔の筋肉を、何とか堪えるのに俺は必死だった。

挨拶を交わした時、兄ちゃんが緊張してるのが分かった。

俺は兄ちゃんをランチに誘った。

向かい合って座った兄ちゃんの顔は、やっぱり緊張で強ばっていて…でも、

「兄ちゃん何にする?」

そう言った途端驚いたような顔をするから、俺は思わずクスッと笑ってしまった。



食事も終わり、食後のコーヒーを楽しむ頃になって、漸く兄ちゃんの緊張も和らいできたのか、少しずつ会話も弾み始めた。

「なぁ、俺達って本当に兄弟なのか? 腹とか種が違う、ってことないよな?」

唐突に言われて、俺は飲みかけたコーヒーを吹き出しそうになった。

「いや、そんな話は聞いたことないけど…。もし仮にそうだとしても、どっちかは同じなんだから、やっぱり本当の兄弟なんじゃないの?」

「そっか、そうだよな…」

妙に納得した様子で、兄ちゃんはまたコーヒーを啜った。

「あ、そろそろ休憩終わりだ。兄ちゃん、また会える?」

慌ただしく席を立つ俺に、兄ちゃんが財布の中から名刺を出して寄越した。

そこには『ゲームクリエイター 二宮和也』そう書いてあった。

「そこに俺のアドレス書いてあるからさ、いつでも連絡くれよ? 俺、フリーランスだから自由なの」

そう言って兄ちゃんは優しい笑顔とウィンクを一つした。
/ 206ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp